今日は5月3日、憲法記念日。世の中はゴールデンウィーク真っただ中ですが、わたくしたつみくん、朝からそわそわしておりました。そうです、第11期叡王戦五番勝負の第3局が、名古屋の料亭「か茂免」で行われる日だからです。
シリーズここまでの成績は、伊藤匠叡王の2勝0敗。挑戦者の斎藤慎太郎八段はカド番、つまり「ここで負ければ終わり」という崖っぷちでの一局です。将棋ファンとしては、フルセットの5局まで見届けたい気持ちもあって、「斎藤八段、頑張れ!」と念じながら画面にかじりついておりました。
シリーズここまでのおさらい
まず、第3局に入る前に簡単に振り返っておきます。
第1局は、史上初の海外対局としてシンガポールで開催されました。先手の伊藤叡王が得意の相掛かりを採用し、125手で快勝。準備の深さと精神力の強さをいきなり見せつけた一局でした。続く第2局は石川県加賀市。矢倉の戦いで斎藤八段も懸命に食らいつきましたが、伊藤叡王が終盤の正確な受けと切り返しで126手で制し、防衛まで王手をかけました。
そしてこの第3局。斎藤八段にとっては、まさに背水の陣です。
第3局・名古屋「か茂免」──斎藤八段、渾身の逆襲
後手番となった斎藤八段が序盤から積極的な作戦を提示。両者ともに長考が続く難解な局面が続きました。将棋ウォーズ初段のわたしには、正直なところ中盤以降の深い読み合いはとても追いきれません。それでも画面越しに伝わってくる緊張感、重さ、そして斎藤八段の「何としても勝つ」という気迫は、素人目にもひしひしと感じられました。
勝負所で斎藤八段が見せた攻めは、まさにタイトルへの渇望そのもの。116手、斎藤八段の勝利。シリーズ成績を1勝2敗とし、なんとか一命をとりとめました。
「よかった……!」と思わず声が出ました。伊藤叡王のことも大好きなので複雑な気持ちではあるんですが(笑)、フルセットへの可能性が残ったことが純粋に嬉しかったです。
伊藤匠叡王という存在の凄み
ここで少し、伊藤叡王についても触れておきたいと思います。
藤井聡太竜王・名人と同い年(2002年度生まれ)で、幼少期から切磋琢磨してきた間柄。今や8大タイトルを二人で分け合う時代を作り上げた「最強の同世代」です。藤井竜王・名人という高すぎる山を常に意識しながら、自らを研鑽し続けてきた伊藤叡王の将棋には、どこか鋼鉄のような重厚さがあります。
第1局・第2局の勝ちっぷりを見ても、そのことは明らかでした。崩れない。動じない。「負けない将棋」を体現するタイトルホルダーとして、今シリーズも圧倒的な存在感を示しています。
次局は大阪・泉佐野──地元の声援を背に斎藤八段が反撃なるか
第4局は5月23日、斎藤八段の地元・大阪府泉佐野市での開催です。地元ファンの声援を背に受けての一局、斎藤八段にとってこれ以上ない舞台となります。ここでシリーズをタイに戻せるか。それとも伊藤叡王が防衛を決めるのか。
わたしのような庶民的な将棋ファンにとっては、この「次の一局が楽しみで仕方ない」という感覚こそが、観戦の醍醐味です。どんな戦型が飛び出すのか。どんな長考が繰り広げられるのか。もう今から待ち遠しくて仕方ありません。
ゴールデンウィーク後半も、将棋のことを考えながら過ごすことになりそうです。第4局、楽しみにしています!
それでは、また次回の観戦記でお会いしましょう。
