いや〜、すごいものを見た。第75期王将戦七番勝負、藤井聡太王将が永瀬拓矢九段の挑戦を受けた今期のシリーズ、最後まで本当に目が離せなかった。
シリーズを振り返る
第1局(静岡)先手:永瀬 → 永瀬○
第2局(京都)先手:藤井 → 藤井○
第3局(山形)先手:永瀬 → 永瀬○
第4局(和歌山)先手:藤井 → 永瀬○
第5局(栃木)先手:永瀬 → 藤井○
第6局(愛知)先手:藤井 → 藤井○
第7局(大阪)先手:藤井 → 藤井○
開幕から1勝1敗で進んだあと、第3局・第4局を連敗。藤井王将にとって七番勝負では自身初の「1勝3敗」というカド番に追い込まれた。正直、このシリーズは終わったかなと思いながら第5局を眺めていたわけです。
それが、まさかの3連勝。1勝3敗からの逆転防衛は将棋史上5例目で、中原誠、大山康晴、米長邦雄といった大棋士たちが名を連ねる記録に藤井王将が加わった。いやはや、言葉がない。
第7局——角換わりの死闘
最終局は大阪府高槻市の関西将棋会館。戦型は角換わり。永瀬九段が先に仕掛けて主導権を握りにいく展開となった。
中盤、藤井が桂馬を得る一方で永瀬は馬を作り、互角の攻防が続く。封じ手の局面でも永瀬が長考の末に指した一手が流れを変えきれず、藤井の的確な受けと攻めのバランスが徐々に局面をリードしていった。最終的には89手で藤井王将が押し切り、シリーズ制覇。
「カド番になった時点でかなり厳しいと感じていた。防衛できたのは幸運」
「シリーズを通して課題も見えたので見直したい」
——藤井聡太王将(終局後コメント)
この人、勝っても反省するんですよね。そういうところが強さの秘密なんでしょうか。「幸運」なんて言葉が出てくるあたり、本当に謙虚だなと思う。
「次の先手番がチャンスだった」
「後手番での課題が浮き彫りになった」
——永瀬拓矢九段(終局後コメント)
永瀬九段は藤井とのタイトル戦7度目の挑戦。3勝1敗とリードしながらも最後は届かなかった。淡々としたコメントの裏に悔しさが滲むが、また次の舞台が必ずあると思う。
藤井聡太、六冠堅持・通算33期
これで王将戦は5連覇。名人・竜王・王位・棋聖・棋王と合わせた六冠を堅持した。タイトル獲得数は通算33期。七番勝負のタイトル戦では出場した全19期を制覇し続けているというのも驚異的な数字だ。
将棋界の主要タイトルは引き続き藤井六冠と伊藤匠二冠が分け合う構図。この二強時代、しばらくは続きそうですね。
【注目】棋王戦五番勝負 第5局——増田康宏八段との最終決戦へ
そして目が離せないのが、現在進行中の棋王戦五番勝負。増田康宏八段の挑戦を受けた藤井棋王は、こちらでもカド番をしのぎ最終第5局へ駒を進めている。
王将戦で見せた逆境からの修正力と集中力をそのまま持ち込めるか。短期間での連戦となるが、「目の前の一局に集中する」と語る藤井の姿勢は変わらない。増田八段も一発逆転を狙う気迫十分で、第5局は絶対に見逃せない一番だ。
50代おじさんのたつみくんとしては、この密度の濃い将棋中継が続く日々、ありがたいやら目が追いつかないやら……。でも、見ますよ。全部見ます。
王将戦という大きな山を越えた藤井聡太。次はどんな将棋を見せてくれるのか。たつみくん、引き続き追いかけていきます。
